高齢者虐待防止法
2006年4月、高齢者への虐待が深刻な状況にある場合に、高齢者を保護するための対策や、その養護者を支援するための対策などを講じることで、高齢者虐待の防止、高齢者の権利擁護を図ることを目的として施行された法律です。正確には、高齢者虐待の防止、高齢者の養護者の支援等に関する法律といいます。ここでいう虐待とは、主に(1)暴行などの身体的虐待、(2)極度の減食や長時間の放置などの介護放棄、(3)暴言などの心理的虐待、(4)わいせつ行為などの性的虐待、(5)高齢者の財産を不当に処分するなどの経済的虐待の5種類の行為を指します。また、養護者とは、高齢者の家族に留まらず、介護保険施設の職員、介護サービス事業者の従業員なども含まれます。同法では、高齢者に対しては、本人に重大な危険が生じる恐れがある場合、市区町村長は立入調査を行い、必要に応じて警察署長に援助を求めることができます。養護者に対しては、介護負担を軽減するために、市区町村が相談、指導、助言や、居室確保の措置を行います。また、介護保険施設、介護サービス事業者に対しては、苦情処理の体制を整え、虐待防止の措置を講じるように義務づけています。