食道がん
食道の粘膜より発生する悪性腫瘍です。発症者には50歳以上の高齢者が90%を占め、男性に圧倒的に多いのが特徴です。初期は無症状のことが多く、次第に胸骨の後ろのしみる感じや痛み、突然の食物のつかえ感などが生じてきます。進行が進むと、食物の嚥下困難、嚥下時痛、嘔吐、吐血、体重減少、背部痛、嗄声などが起こり、栄養障害やるいそう(はなはだしく痩せること)を合併したり、リンパ節や肺・肝臓への転移なども起こってきます。胃や大腸のがんに比べ発生頻度が低く関心も低いため、かなり進行した状態で発見されることの多いがんです。原因は不明ですが、患者には大酒家でヘビースモーカーが多く、またアカラシアや逆流性食道炎、腐食性食道狭窄など食道粘膜に慢性の刺激が加わる人に多く見られる傾向があります。また、食物環境や遺伝子環境の関与も指摘されています。