韓国の高齢化と老人福祉政策
韓国では、出生率の急激な低下に伴い、高齢化への道を進んでいます。日本をしのぐ速さから、“世界一急速な高齢化”として、今後の高齢者政策などの動向が注目されています。2000年に“高齢化社会”の基準となる7%を超えて以来、2004年時点での高齢化率は8.7%と上昇しています。今後、2019年には“高齢社会”の基準となる14%を超え、2026年には20%を超える超高齢社会を迎えるものと予測されています。現在のペースが続くと仮定すると、高齢化率が7%から14%になる所要年数は19年となり、日本の24年を上まわることは避けられません。また、韓国の政府関係者や有識者などで構成される『公的老人療養推進企画団』の2004年の報告書によると、認知症、脳卒中症などで介護の必要な高齢者は、2003年時点で約59万人とされています。これが、2010年に79万人、2020年には114万人に増えるものと予測しています。こうした背景のもと、韓国では2001年以降、当時の金大中政権のもと、老人保健福祉総合対策の一環として“公的老人療養保障制度”の導入を推進しており、2007年の施行を目指しています。