開放療法
褥瘡部の患部を生理的食塩水(水道水でも可)で洗って、褥瘡部に直接、紙おむつなどを当てるだけ、という治療法です。例えば、褥瘡がもっともできやすいのは腰骨(仙骨)や尾てい骨部分です。この場合、排便の確認と一緒に患部のチェックができます。便の洗浄と一緒に褥瘡の洗浄をして、紙おむつを新しいものに交換します。水で洗うだけでも患部の細菌数は減り、何よりも管理が楽です。ほかの部位にできた褥瘡も同じように、水で洗浄し、尿取りパッドを当てておくだけです。開放療法が行える条件は、患部に壊死組織がなく、創面が安定(膿がなく、皮膚や内組織の再生が見られるなど)し、“ポケット(死腔)”と呼ばれる皮膚下の空間がないことです。このため医師や看護師による治療開始前の所見と、治療中の細菌感染にも配慮が必要になりますが、初期の褥瘡治療には十分効果があります。