薬膳
20年ほど前から使われるようになった言葉で、明確な定義はありませんが、薬効も狙った料理のことです。中国では古くから漢方が盛んですが、漢方薬といわれるものはすべて動植物の素材を加工し、その薬理作用を組み合わせることによって治療効果をあげるものです。さまざまな動植物の素材を加工するという点では中国料理と同じで、中国文化圏では料理にも治癒効果を期待する伝統があります。これを「医食同源」といいます。薬膳はこの考え方を意識し、薬理的な効果を持たせるように工夫した料理をいいます。したがって、どこの国の料理でも薬膳になりえますが、素材と組み合わせの多様性、その薬理的な効果に関する膨大な知識の蓄積という点で中国料理は優れています。・