腹水
腹膜腔内に体液が異常にたまった状態をいいます。炎症病巣の刺激が原因でたまる液を滲出液(しんしゅつえき)といい、蛋白濃度が高いです。滲出性の腹水をきたす疾患は癌性・細菌性腹膜炎などです。腹膜の内と外のバランスが乱れたためにたまる液を漏出液(ろうしゅつえき)といい、蛋白をほとんど含まないです。漏出性の腹水をきたす疾患は肝硬変・心不全・ネフローゼ・低蛋白血症などです。症状としては、腹部膨隆・浮腫・尿量減少などです。治療は減塩食、利尿剤の投与、貯留した体液の排出などを行います。また、外力によって起きた腹膜の穿孔(せんこう)から腸管内容物がもれ出したために生ずる腹水もあります。