脚気
ビタミンB1の欠乏症です。ビタミンB1(チアミン)は体内の代謝の中で特に糖質代謝に重要で、種々の酵素の補酵素として働くため、これが不足すると円滑な代謝が行われなくなります。症状は潜行性に全身脱力感、食欲不振などの不定愁訴が現れ、進行すると上・下肢のしびれ、口のしびれ、不快感覚、知覚鈍麻、神経痛、腱反射消失などの末梢神経症状や、筋肉痛・筋力低下、筋萎縮を生じて麻痺に至ることもあります。早期から顔面や下肢の浮腫、頻脈、血圧低下が起こり、心臓の機能以上から急速に心不全に至る危険もあります。ビタミンB1は水溶性ビタミンで、胚芽米・玄米などの穀物の胚芽、麦類、イースト、魚肉類、大豆、落花生、野菜に多く含まれています。かつては精製した白米を主食とする日本や東南アジアで多発しました。近年では、ファーストフードやインスタントラーメン、糖分の多い飲み物を摂る若者に多発する傾向があります。