精神鑑定

刑事事件の被告・被疑者が、犯行当時、刑事責任を問える能力をもっていたかを判定することをいいます。民事事件の場合には、当事者が自分の利益を判断し、それに基づいて適切に行動する能力(行為能力)を判定することを指しています。裁判官や検察官、弁護人、警察の委嘱に基づき精神科医や心理学者が行い、時には被告・被疑者の証言の真偽や裁判を受ける能力についての鑑定を求められる場合もあります。日本をはじめ多くの文明国が、精神障害による犯罪者には、通常の刑を科すことなく刑事裁判所で治療を命じることとし、再発・再犯の恐れがなくなってから退院させるという治療処分を採用しており、精神鑑定はこの処置を決めるために必要な手続きです。しかし精神鑑定によって無罪となった者が、短期入院ののちに再び重大事件をおこす事例もあり、こうした例では被害者の人権と人命の重みが問題となっています。

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