相互作用説
人間の発達や個人差の説明に関する「遺伝か環境か」を巡る議論の中で、遺伝要因と環境要因が互いに浸透し合って作用するという点を強調する考え方のこと。この説は、現在の発達心理学において最も妥当であると言われています。かつては、両要因のいずれか一方を強調する立場や、両要因の統合性を強調する立場、あるいはそれぞれの要因が独立して加算的に作用すると考える立場がありました。相互作用説の例として、母親の語りかけに反応して赤ん坊が表情を変えたり、逆に、赤ん坊の微笑に対して母親が微笑み返し抱き上げるといった、母子相互作用説の発達研究が挙げられます。