清拭
一般には、お湯などで身体を拭き清めることをいいます。福祉の分野では、入浴できない要介護者の身体を熱いタオルなどで拭くことをいい、身体の保清と皮膚面の刺激、気分転換、精神の安定を図るのに有効な処方です。清拭は食事の前後1時間を避け、全身状態をチェックしながら行います。また、冬は風邪をひかないよう室温を24℃前後に保ちながら行うようにします。
清拭は空腹時や満腹時を避けるようにし、先に排泄をすませておきます。部屋を暖かくして、拭く部分だけ肌を出して拭くようにし、5〜10分程度ですませましょう。用意するものは、蒸しタオル5〜6本、乾いたタオル2〜3枚、バスタオル、バケツ2個(お湯用、汚水入れ用)、清拭剤または石鹸、綿棒、着替えなどです。
清拭の順番は手足から始め、段々と心臓に近い部分を拭いていきます。拭き方は一方向に拭き、タオルを往復させないようにしましょう。また、肘、膝、胸、腹、腰、お尻はタオルで円を描くように、背中は背骨を中心に左右をそれぞれらせんを描くように拭きます。顔や陰部は、自分でできる場合は拭いてもらいましょう。