植物状態
脳の外傷や心停止による脳の酸素欠乏などのために意識がまったく失われ、植物性機能のみが残っている状態をいいます。植物性機能とは呼吸、血液循環、消化排泄などの機能を指しています。植物人間はこうした植物機能以外の、末梢および中枢神経、感覚器、筋の機能などの動物性機能を失った状態です。自発呼吸は可能で、血液循環なども正常なので脳死とは状態が異なります。しかし移動や食事、排泄が自力ではできず、対象の認識も不可能で、意識障害や言語障害があり、この状態が3カ月以上続くことを植物状態といいます(日本脳神経外科学会)。脳血管障害による患者が全体の3分の2、事故によるものは約10%と見られています。