染色体異常
染色体の数や構造に異常があることをいいます。遺伝子が過剰になったり、不足したりするためにさまざまな障害が現れます。数の異常は、生殖細胞をつくる細胞分裂時に突然変異が発生し、異常な染色体数の卵子や精子ができる現象です。このような異常で染色体数が1本過剰のものを「トリソミー」、不足することを「モノソミー」といいます。また構造異常は、染色体が切れたり、断片がほかの染色体部位に付着したりして起こる形態の異常で、遺伝物質の過剰や不足の状態に伴って、知的障害や内臓の奇形を伴うことがあります。染色体異常で知られるダウン症は、21番目の染色体が1本過剰に存在する突然変異で、1000人にひとりの割合で生まれてきます。そのほか、ターナー症候群やクラインフェルター症候群は性染色体の異常によって、また猫泣き症候群は5番染色体短腕末端部の欠損が原因で生じるとされています。