本能
動物が、それぞれの種に共通して持つ固有の生まれながらの行動パターンのこと。原則として、本能行動は、経験や学習の関与は極めて少ないとされています。マクドゥーガルは、すべての行動に目的性を考え、人間の社会的行動の原因を、遺伝的で生まれながらの本能に求め、逃避や求食など12の本能を列挙しました。また、フロイトは、本能を内発的な動機づけと捉え、生と死という主要な2つの本能を提唱し、前者をエロス、後者をタナトスと名付けました。今日では、本能的行動を、個体保存・種族維持の目的に適応するものとみなす動物行動学が、本能を最も重視する立場となっています。