斜頸
首筋がつるために、頭を絶えず斜めに傾けるようになる病気をいいます。生まれつき首の骨が曲がっている先天的なものと、喉のリンパ腺がはれて起こるリンパ性斜頸や、チック症などと同じ神経症の一種として起こる神経性斜頸などの後天的なものとに分かれます。このうちよく見られるのは筋性斜頸といって、分娩の際に赤ちゃんの首の筋肉に引っ張る力が働いて起こるものです。生後すぐに首筋にできたぐりぐりが、半年?1年後には硬い筋のようになり、首が突っ張るようになります。さらに症状が進むと首の傾きがひどくなり、顔や頭蓋がいびつに変形します。この筋性斜頸の9割は自然に治りますが、残り1割弱の重症例に対しては、外来でできる徒手筋切り術という、突っ張っている筋を切って治す治療法が開発されています。ちなみに従来まで治療法として盛んに行われたマッサージは、今では有害であるというのが定説になっています。