拡張型心筋症
心室の筋の収縮力が低下して、心室が拡張してしまう病気です。原因は不明ですが、家族性・遺伝性の発生、ウイルス性心筋炎、免疫異常、高血圧や飲酒、栄養のかたよりなどが関与していると考えられています。動悸、呼吸困難、易疲労、浮腫などの心不全に基づく症状が現れます。また不整脈により失神や突然死にいたることもあります。診断には心エコー検査が有用で左心室内腔の拡張・心室壁の動きの低下がみとめられます。確定診断には、心筋生検(心臓の筋肉の組織を一部採取して調べる)や心臓カテーテル検査(心臓の動きを調べる)があります。治療としては安静、塩分・水分・カロリー制限を行います。水分が貯留する場合は利尿剤、心不全の症状にはアンギオテンシン変換酵素阻害薬やβ遮断薬を用います。この病気は重い不整脈が高頻度に出現します。また心筋の収縮力は慢性的に低下していき予後が不良なため心臓移植の適応となることが多いです。