成人T細胞白血病
レトロウイルス(HTLV-1)の感染によって起こる白血病です。わが国に多い白血病で、九州、四国、その他の海岸線地域に多く見られます。このウイルスは後天性免疫不全症候群(エイズ)の原因となるレトロウイルス(HIV=HTVL3)とは近縁のもので、末梢血液に花弁状のリンパ球が出現するのが特徴です。通常の社会生活では感染しませんが、夫婦間の水平感染、母子間の垂直感染、輸血などで感染します。感染しても発症までには数十年かかりるとされ、抗体保有者の発症率は、0.1%?0.15%と推定されています。発症後の予後は悪く、末期には免疫不全、進行性ミエロパチーなどで死に至ります。