性格の類型論
何らかの原理に基づいて多種多様な性格をいくつかの類型に分けて、典型的な性格を設定することで性格の理解を容易にしようとする性格理論のことです。E.クレッチマーの性格の類型論は、精神病患者の体格と、病気の種類との間に深い関係のあることに気がつき、正常者でも痩せ型の人、肥満型の人には、それぞれ共通した性格特徴があるとして、痩せ型の人は分裂質、肥満型の人は躁うつ質、筋骨発達の著しい闘志型の人はてんかん質と分類したものです。C.G.ユングの向性による類型論は、人間の精神的エネルギーが外に向かいやすい外向型、内に向かいやすい内向型によって分け、感覚型・直感型の知覚の仕方による分類と感情型・思考型である判断を組み合わせた型で性格を理解しようとするものです。ほかにも、生活態度や価値観によって経済型、審美型、理論型、宗教型、権力型、社会型に分けたE.シュプランガーの類型論や、クレッチマーとほぼ同等の結論を導いたシェルドンの発生型による類型論などがあります。