多因子遺伝病
家系内において、特定の病気が一般頻度より高頻度で見られ遺伝要因が関与していると考えられるもののうち、単一遺伝子によるメンデル遺伝様式にあてはまるほどの高頻度ではない病気に対してつけられた病名です。病気が発生するにはある閾値以上の遺伝子数が必要ですが、この閾値自体が環境要因によって変化を受けます。従って遺伝性が疑われていてもその遺伝性がはっきりしない病気は多因子遺伝病が疑われるのですが、同一家系内では環境が似ていることが多いため、分析には注意が必要とされます。高血圧症や糖尿病などが多因子遺伝病と考えられていますが、実際に遺伝子が証明された病気はまだありません。