同一化
精神分析における防衛機制(不安や葛藤に当面したとき、自分を守ろうとして無意識的にとる適応の仕方)のひとつ。同一視ともいいます。フロイトにより提唱されました。自分にとって重要な他者の持つ特性を、自分の中に取り入れる過程を指して用いられます。具体的には、尊敬する人や好きな人の考え方や行動様式を真似たり、小説やテレビの中の主人公になったかのように感情移入したりすることなどが挙げられます。子どもは、無意識のうちに両親に同一化することでその社会・文化に適応可能となるため、発達において同一化の過程は重要です。アイデンティティ確立の基礎や性役割も、両親への同一化によって築かれます。