台湾の高齢化と長期看護
2005年、台湾の『行政院主計処』が公表した統計によると、台湾の高齢化率は10年前に“高齢化社会”の基準となる7%に達し、さらに2004年には9%に上昇しました。これにより、アジアでは日本(19%)と香港(12%)に次ぐ第3位となり、高齢化が深刻な問題になっています。また、2004年の国民の平均寿命は76歳です。台湾には、長期看護の必要な人が約57万人いるとされています。長期看護の費用は、24時間の看護に1日当たり約2000〜2400元(=約7270〜8724円)かかり、これが1カ月になると約7万元(=約25万円)、1年で約84万元(=約305万円)もの高負担になります。台湾の家庭の平均年収が108.2万元(=393万円)であることを考慮すると、家計の中からすべての医療費を捻出するのはきわめて困難といえます。台湾の医療保険制度に『全民健康保険』がありますが、『中央健康保険局』の調査によると、被保険者は2003年4月時点で2186万9478人。これは、全人口の96%に当たります。しかし、保険給付を受けたとしても、長期看護にかかる医療費負担は厳しいものといえます。