医薬分業
医師と薬剤師の分業体制のことで、医師が患者に処方せんを交付し、薬局の薬剤師がその処方せんに従って、薬を処方することを表わします。どうしてこのような体制が必要かというと、医師が患者に薬を投与すればするほど医師が利益を得ることになってしまい、医の倫理に反するからなのです。戦後にできた法律でも医薬分業は定められましたが、実際に分業は進展せず、1974年に処方せん発行の診療報酬が大幅にアップしたことで、保険調剤を行う薬局が増え、院外処方せんを発行する病院も増加してきました。1996年には全国で発行された処方せんのうち、院外処方せんの割合は22.5%に達しました。日本では医療費のうち、薬剤費が占める割合が非常に高く、薬価差益が医療機関の重要な収入源になっていますので、医薬分業を訴えることは薬に重きを置いた医療費の構造を立て直すことにもつながります。