冷え症
身体の特定部位に異常な冷感がある“冷え症”は、障害や変調などを伴う一種の症候群です。頭痛や肩こり、腰痛、腹痛、ほてりなどの症状とほぼ同時か、先行して冷え症が現れることが多くなります。冷えを感じる部位は腰部が最も多く、次いで足、下肢、手などに現れます。冷え性は思春期、妊娠、出産、更年期など、性機能の転換期の女性に多いのが特徴です。女性ホルモンを司る脳の内分泌系中枢は、自律神経系を司る自律神経中枢の近くにあるため、女性ホルモンの変動期には影響を受けやすくなります。自律神経機能が不安定になると、血管を収縮させるために血行が悪化し、冷え性が起こります。高齢者の場合は、新陳代謝が低下して低体温になるため、気候などの影響で体温が奪われると体温が上昇しにくくなり、身体が冷えやすくなります。また、合併症も見られ、肩こりの場合は、軽くなったり、悪化したりという状態を慢性的に繰り返しますが、その多くは寒い季節に多発し、春や夏には和らぎます。