児童虐待
親や保護者が子どもに身体的・精神的な虐待を加えることをいいます。児童虐待は殴る、蹴る、食事を与えない、冬に戸外に放置するといった「身体的虐待」、子どもに性交や性的暴力を加える「性的虐待」、言葉による脅かしや無視、自尊心を傷つけるような言動をするなどの「心理的虐待」、病気になっても診察させない、適切な食事を与えない、不潔にしておくなどの「ネグレクト」の4つに分類されます。日本の児童相談所での相談件数は、1999年で推計1万2374件にのぼり、1990年の1101件に比べ11.2倍に激増しています。こうした事態を受け、2000年には児童虐待防止法が成立。厚生労働省では2000年度に児童虐待防止市町村ネットワーク事業、地域小規模児童養護施設、児童福祉施設入所児童支援事業を創設し、児童虐待対応協力員を児童相談所に配置して広報や母子保健専門指導員の研修、児童家庭支援センターの拡大を実施。児童虐待の早期発見、早期対応体制の整備に努めています。一方で核家族化によって母親らの育児に対する孤立感が増しており、家庭を支援する機能を地域に育てることも、大きな課題だといわれています。