児童の世紀
スウェーデンの社会思想家、教育学者、女性運動家であるエレン・ケイ(Ellen Karolina Sofia Key, 1849年12月11日 - 1926年4月25日)は、1900年刊行の著書「児童の世紀」で、20世紀こそ「児童の世紀」と名付け、子供は大人と同様に独自な存在であり、子供である権利が保証されるべきであるとした。そして、国家や社会の必要から生まれる教育制度や、教育内容が自然な子供の成長を阻害していると批判し、子供が生まれ持つ本能や資質、個性を活かす教育を主張している。
このようなケイの主張は、「ジュネーブ宣言」(1924)「世界人権宣言」(1948)「子どもの権利宣言」(1959)と受け継がれてきた。
そして、差別の禁止、子どもの最善の利益の保障(the best interests of the child)などの子どもの権利を国際的に保障しようとする「子どもの権利条約」(Convention on the Rights of the Child)が1989年11月30日、国連第44回総会において採択された。子どもも大人同様にあらゆる権利を行使する主体として捉えられている。
日本では1994年3月にこの条約を批准し、同年5月より発効している。
エレン・ケイの著作には「児童の世紀」のほか「恋愛と結婚」「女と戦争」等がある。