作話
認知症の高齢者によく見られる症状の一種で、思い出せない状況や、事柄などについて虚構の話を作ることです。欠落した記憶を補うかのようにつじつま合わせをするもの(当惑作話)や、物事の事実関係があいまいになり、願望が現実のように日常会話の中に出てくるもの(空想作話)などがあります。あまりにも流暢(りゅうちょう)に話が作られるので、直接介護していない周辺の人は、何の疑いもなく信じてしまいます。作話の中に介護者の悪口が入ると、介護者と周囲の人たちの間でトラブルが発生しますが、作話の内容を冷静に分析すれば、事実でないことがわかる場合がほとんどです。アルツハイマー病やレビー小体病、脳血管性などの認知症以外にも、慢性アルコール中毒や脳内出血、硬膜下血腫、脳腫瘍、脳炎、低酸素脳症、頭部外傷など、いろいろな原因によって起こります。