二分脊椎
脊髄の背側に存在する椎弓が癒合せず脊椎の後方が欠損している状態をいい、脊椎披裂ともいいます。二分脊椎には椎弓の統合不全があっても神経に異常のない潜在性二分脊椎と、椎弓の欠損部から脊髄や馬尾などの神経が脱出して腫瘤となる脊髄髄膜瘤とがあります。椎弓は胎生期に左右別々にできやがて脊柱管を形成しますが、発生障害によって椎弓の癒合が不十分な場合に二分脊椎となります。ときに腰仙部に発毛異常や皮下腫瘤が認められますが、ほとんどの人は日常生活に支障ありません。まれに脊髄が二分脊椎部で固定された場合には成長に伴って脊髄が牽引され、腰痛や下肢痛、排尿障害などが現れることがあります。