ペスト
ペスト菌の感染によって発症する伝染病です。ペスト菌を保有している齧歯(げっし)類に付着しているケオピスネズミノミなどのノミ類によって媒介され、人に感染する場合を腺ペスト、人から人へ感染する場合を肺ペストといいます。通常見られる病型は腺ペストで、2日?6日の潜伏期を経て感染部位の所属リンパ節が痛みを伴って腫脹。自潰するほか二次的に菌血症を起こして髄膜炎の併発などに至ります。また肺ペストは血痰を伴う重篤な肺炎の型をとり、肺炎を起こせば短期間で死に至ります。日本では1926年の発生例が最後ですが、アジア、アフリカ、南米の一部にはいまも存在しており、こうした地域からの侵入を防ぐことが大切です。法定伝染病および検疫伝染病に指定されています。