ヘルペス脳炎
単純ヘルペスウイルスに感染し脳が炎症を起こす重度の疾患のことをいいます。急性脳炎の代表的な疾患の1つです。小児から成人まで広く発症し、さまざまな感染経路があります。とくに成人では、ウイルスが大脳辺縁系に達し病変を起こすとされています。発症時には急な発熱や突然の意識障害、熱性けいれんなどが起こります。治療はまず抗ウイルス剤を早めに投与することです。抗ウイルス剤開発後の致死率は10%程度にまで低下しましたが、それでも後遺症を残す重度の疾患であると考えられています。とくに高齢者では痴呆の症状が後遺症として現れることがあります。