フェニルケトン尿症
常染色体性劣性遺伝によって現れる遺伝病です。必須アミノ酸の一種のフェニルアラニンをチロシンに変換する酵素の先天的欠損によって、体内に過量のフェニルアラニンが蓄積され、脳の発達が障害される代謝異常疾患です。過量のフェニルアラニンはその一部が酸性物質に変換されて尿中に排泄されるため、鼠の尿のような特有の匂いの尿が出ます。また、メラニン色素の合成も障害されるため、髪の毛が栗色で肌の色も白くなります。現在ではすべての新生児に生後すぐスクリーニングテストを行い、低フェニルアラニン食品を用いた治療などによって障害を最小限に抑える処置がとられます。