コルサコフ症候群
アルコール依存症による主としてビタミンB1の欠乏や頭部外傷、ヘルペス脳炎など脳の病気の後遺症として見られる特殊な記憶障害の型のひとつ。老年期認知症(痴呆)によっても、この型が強く現れることがあります。症状として2、3分前に話したことを忘れる強い記銘力の低下、自己の状況の認識ができない見当識障害、ある期間の記憶が抜け落ちる健忘、これらの記憶の欠損を補うために思いつきをいう作話などがあります。原因によっては一過性で治ることもありますが、長く固定的な持続を見せることもあります。S.S.コルサコフによって記載された症候群で、1つの疾患名ではありません。「コルサコフ精神病」というときは、コルサコフ症候群に見られる症状を呈する、アルコール精神病のひとつの型を指しています。