ウィルソン病
肝臓・中枢神経・角膜および腎臓などに銅が異常に蓄積する遺伝性疾患です。肝障害(肝炎、肝硬変など)、神経症状(話しにくい、ろれつが回らない、筋肉のこわばり、震えなど)、精神症状(不安、無気力、抑うつなど)、眼症状(カイザー・フライシャー角膜輪という青緑色または黒褐色の輪が角膜に認められる)が主に現れます。銅代謝に関与するセルロプラスミンの欠乏、胆汁への銅排出障害が原因で起こります。治療は、銅を対外に排出する作用があるD?ペニシラミンの投与や銅含有量の多い貝類・豆類などの摂取を避けることです。また脳に銅が沈着すると脳組織が壊死したり、はん痕が生じたりして機能が低下します。このため痴呆の症状があらわれます。