No.17269 有料老人ホームを半年で解約。入居金返金は半分だけ?
質問(相談内容)
■ Q:
70歳を過ぎ、男1人での暮らしもままなくなり有料老人ホームヘ入居しましたが、体験入所の時とは違い、毎日できると思っていた入浴が毎日ではなく、食事もメニューが選べるのはいいが魚が焦げていたり、から揚げが堅かったり、内容が悪すぎました。入居から半年後に解約を申し出たところ、ホーム側は、入居一時金1000万円の半分の500万円しか返金しないといいます。半年入居しただけなのに、入居金の半分しか返金されないのは納得できません。ホーム側のいい分は、正当なのでしょうか?
回答(相談内容に対する回答とお礼)
◆A1:
まず、入居時に交わした契約書の中に記載されている、「入居一時金の返還」のところを確認してみてください。入居一時金は、家賃の前払い分として一般または介護居室に終身居住し、共有施設を利用するための権利です。死亡や退去によって入居契約を解除する時は返還金鋭定により返還されます。返還金は、入居してから1年以上たつと4分の3程度に減ってしまう場合や、何年入居していても退去のときに全額返還される場合などさまざまです。
規定内容に不合理な点がない限り、規定どおりの返還であれば契約違反にはなりませんが、毎日入浴できないことなど、入居に当たっての重要事項説明の中に、住居環境のことが表示されていなかったり、事前に知らされていない場合、また、重要事項に書かれていた内容とサービスが違っていた場合については、「不利益事実の不告知」また「不実を告げ」て契約させたということも考えられます。
その場合には《契約の取消し≫ができるため、これを主張するに当たっては、「事業者が故意に不利益事実を告げなかった」、具体的には「知らせなければいけないことを知りながら、わざと告げなかった」、「うそをついた」ということを契約当時にさかのぼって立証することになります。
退所理由を事業者側に伝え、返還金の額が、どのような根拠に基づいて、また、どのような計算方法によって決定されたのかを確認する必要があります。事業者は契約条項として記載するに当たっても、返還額を決めるに当たっても、当然根拠があるはずですし、50%の違約金が妥当なものであるかどうかの検討をする必要があります。ご自分での交渉が難しければ、市町村役場などの消費者相談窓口に相談してみることをお勧めします。