No.10264 ICU症候群による妄想への対処。

質問(相談内容)
■ Q :
内臓の手術を受けた母が、自分は謎の伝染病に感染しているという妄想を抱いてしまい、近いうちに死ぬと思い込んでいます。また、素手で触られるのを拒否したり、マスクの着用を強要したりします。他人に感染する事を恐れているようです。伝染病になど感染していないと説得すると、激怒し、脈を乱したり血圧を上昇させたりします。内臓の回復が完全ではなく、多量の薬剤を使っている最中なので、抗鬱剤や安定剤などは使えない状況です。この場合、母の妄想に付き合うべきでしょうか?それとも説得を続けるべきでしょうか?ちなみに母は医者です。

回答(相談内容に対する回答とお礼)
◆A1:
譫妄の人に、否定したり説得したりしないほうがよいようですよ。手袋やマスクで納得されるのなら、そうしたらよいのではないでしょうか?

◆A2:
妄想に付き合うべきか説得を続けるべきか・・・。そうはっきり分けないで、妄想に相槌を打ったり、適当に聞き流したりしてゆるやかに対応しつつ、お母さんの体調や機嫌をみて、臨機応変に説得するするなり説明するなりしてみては如何でしょう。何とか分からせようとやっきにならずに、ダメもとで、という感じでやわらかくしましょう。マスクの着用で気が済むのならそうして上げたら、とも思いますが。そして、往診を頼んで医師から説明して貰うというのはどうでしょう?

◆A3:
医者や看護師ほどICU症候群になりやすいと聞いたことがあります。やはり、日頃ICUに入る方がどんな状態なのか目の当たりにしているので、その後を想像できてしまうからだそうです。また、薬の副作用もあるかもしれないですよね。
主治医の先生はどのようにおっしゃているのでしょうか?お母様が納得するのなら、手袋やマスクをすることも良いことだとおもいますが、逆に「やっぱり伝染病なんだ」と思わせてしまうかもしれません。とにかく、不安で一杯なはずので、落ち着いているときに「大丈夫だよ」と安心していただけるような声かけができると良いのではないかと思います。(説得ではなく)私は専門家ではないので、的確なアドバイスができなくてごめんなさい。でも、父が薬疹で死にかけたときに、死への恐怖からおかしくなったことがあり、そのとき私も若くただただ「大丈夫」と言うしかなく、次第に良くなるにつれ父が正常に戻ってきたことがありましたので。

◆A4:
 ワタシ自身の事ですが、スタッフが影で言ってる事が自分の事と思われ、黄疸も酷かったので自分は肝炎ウイルスに感染した(輸血も40単位したので)と思い込みました。そして、はっきり憶えている事ばかりで、せん妄とは違うと今でも思っています。気管内送管後で発声できなかったので意思を伝えることもままならず、本当に怖ろしい目にあったので、ご家族がきちんとお話をきいてあげてください。必ずしも間違っている事ばかりとは限りません。ワタシの誤解はある看護師の一人が自分の言っている事を信じてくれた事により、助かりましたから・・・

◆A5:
そうですね、 話を聴くと言うことがとてもいいと思います。 否定でも肯定でもでもなく、教わると言うスタンスでもいいかと思います。ただ、あまり真に受けすぎると、こちらが参ってしまうこともあります。ご自身の許容量も気にしながら、接しましょう。医師看護師の言うことですら納得(信用)できない状態でしょうから、家族感染症ではないと言っても、かたくなになってしまう状態かもしれません。

◆A6:
気長に付き合ってあげて下さい。ICU症候群はいつか治ります。ただ、ICUに入ると高確率でMRSAになることも事実です。抵抗力が弱っているところに、多種類の抗生剤を使うからです。医師であるなら、そんな知識や経験が妄想を助長しているのかもしれません。ICUでは大抵手袋をして患者の看護にあたりますので、色んな要因が絡み合っているかもしれません。現実は落ち着けば認識できますし、ICU入るほどの重症なら感染予防はするにこしたことはないと思いますが、あと一週間で良いので経過をみて下さいね。ご心配でしょうが、普通ではない24時間明るくモニター音のするICUにいたのですから。。勤務したことのある私でも、家でモニター音の幻聴が聞こえました。本当に異空間ですから・・・。

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