No.50863 Re: 高齢者の麻酔について

発言者:もっちん 発言日:2012/10/12 20:05 返信する 応答をメールで転送

気になった文献をコピペしました。

高齢者麻酔について
 「高齢者」と言えば、現代日本では65歳以上とされている。そして、75歳以上は後期高齢者と呼ばれている。

 日本は少子高齢化になるスピードが世界一早く、子どもの出生は減るのに対して、労働力のない老人が増えてきている。現在の日本では、65歳以上の人口は21%にも達しており、その実数は東京都の総人口に近い。

 それらの高齢者はたいてい何らかの病気を持ち、外科手術を受けるケースが多い。いちばん多いのは老齢による鼠径ヘルニアや痔疾であるが、日本人の間には胃がんの羅病が多く、がんの治療としては、今では内視鏡による手術があるので、予め麻酔薬で前処置すれば苦痛なく治療を受けることができる。しかし、老人は健診を受ける機会が少なく、進行した胃がん食道がんの手術には全身麻酔が必要になってくる。

■全身麻酔での手術では、肺機能低下が起こりやすい
 そこで、ここでは高齢者の全身麻酔にはどのような危険や副作用があるかということについての知識が老人以外にも若い人たちにも必要だと考え、わかりやすい情報を伝えたいと思う。

 老人は肺や心臓、血管とともに、がんも多く発生するが、外科手術を受ける場合に、何よりいちばん起こりやすいのは肺機能の低下である。

 加齢による肺機能低下の第一は、酸素(O₂)の排泄の行える肺の面積が減って、働かない肺の面積が大きくなる。これを残気量の増加と説明している。同時に、気管支の細かい枝の細気管支に痰が溜まり、気道閉塞が起こる。

以上のことにより、肺胞でのガス交換が悪くなり、その上に痰を喀出する力、すなわち排痰能が下がる。

■手術に成功しても、合併症で死亡例も
 その理由は、高齢者はたまった痰を咳によって吐き出す能力としての咳反射が低下し、口腔内の食べ物を嚥下する能力、口腔内の食べ物を食道に送り込む力、すなわち嚥下機能が下がり、食べ物の残渣が気管内に入る。つまり、誤飲による誤飲肺炎を起こして、そのために外科手術はうまくいっているのに、麻酔をかけた後の合併症で死亡する例が多くなる。

 したがって、高齢者の大きな外科手術に際し、有能な外科医が手術に成功しても、手術室から病棟に帰ってからの術後の看護を行う看護師の上手な手当、すなわちケアがなければ術後の合併症、特に術後には気道内の換気が悪くなり、そのため、血中の酸素量が減り、血中の二酸化炭素量が増えて、術後の換気不全と術後の肺炎の合併で死の危険が多い。

■大手術受けた高齢者は、ICUで監視後に一般病床でのケア
 そこで、高齢者の大手術の後は、すぐ一般病床に戻さず、ICU(インテンシブ・ケア・ユニット)という術後の集中治療室で、麻酔医や外科医の監視下で経過を見て、1週間後に普通病棟に戻って看護師の監視とケア下に置くことが安全である。

 老人の術中や術後のケアには、麻酔、病棟医師看護師チーム医療が大切で、これらのスタッフや設備の整った総合病院でないと、高齢者の手術の成功は望めない。

 その他、高齢者麻酔や局所の痛み止めに用いる麻薬に過敏であり、普通の成人に比べると、薬用料を少なくし、それを監視下で上手に使うことが必要である。

 このような大手術をその病院で受けるか否か、またその合併症の起こる危険を医師があらかじめ当人や家族に明言して、その承認書を書類として残しておくことが術前に行われることが法律で決められていることも一般の人に知っておいてほしいと思う。

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   ├◇50863: Re: 高齢者の麻酔について [もっちん] ID:sXDyQ4gG 2012/10/12 20:05 評価
   └◇50864: Re: 正解は? [もっちん] ID:sXDyQ4gG 2012/10/12 20:32 評価
    └◇50954: Re: 正解は? [テツマゴ] ID:8d405S./ 2012/10/18 09:59 評価